「あぁ~腰が痛ぁ~い」
「ちょっと、先輩!エロい声出さないで下さいよ~」
「えっ、出して無いじゃん」
「出てますよ~無意識に」
「えぇ~っ?!」
一息吐こうと背筋を伸ばしただけなのに、何故、それが変な声だと言われなきゃならないの?
志帆ちゃんの理不尽な物言いにムッと不機嫌を表情で表すと。
「そんな可愛い顔してもダメですからね?店長が聞いたら誘ってると思われますよ~?」
「えっ?何で、さっきのがお誘いなんかになっちゃうワケ?」
「先輩疎すぎます!それに声も大きいし、恥かしいですから暫く黙ってて下さい!私だって疲れてるんですから」
「うっ………ごめん」
志帆ちゃんが言うように、私だけが疲れている訳じゃない。
明らかに私より若い彼女は、店長に扱き使われていた。
それを顔に出さず、愚痴も零さず仕事をこなしたのだから仕方がない。
お互いに小休止とばかりに黙り込んだ。
すると、
「お疲れさ~ん!」
店長がペットボトルのお茶を手にして、戻って来た。
そして――――。
「お疲れ様~」
聞き覚えのある声が耳に届き、机に突っ伏していた顔を上げると。
「んッ?!」
爽やかな笑顔で、今一番会いたくない男が登場した。



