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「ホント先輩って、何でそんなに馬鹿なんです?仕事の時はあんなにもカッコいいのに!オフの時は、どうしてこうも抜けてるんですか~」
「ムッ……」
「いいですか~?毒舌な美食家にA5ランクの黒毛和牛を献上してるのと同じですよ~?」
「なっ!」
「それに、話を聞いてる限り、絶対職場の女子社員にも言いふらしそうじゃないですか~!」
「ッ?!」
「一体どうするんです~?私、知りませんよ~?」
「えっ、ちょっ、ヤダぁ~!!志帆ちゃん、助けてぇ~!!」
「助けて~って言われてもなぁ~」
麻生さん程ではないが、彼女も結構な毒舌だ。
まぁ、彼女の場合は『愛』が感じられるから許せるけど。
結局、事の成り行きを全て打ち明けた。
だって、私1人じゃ作戦どころか、戦意喪失してしまいそうで……。
こうなったら、私より恋愛経験が豊富な志帆ちゃんに頼るしかない!
私は神頼みでもするかのように両手を合わせ拝み倒す。
そんな私を一瞥し、何度も溜息を吐く志帆ちゃん。
暫くして、何か良い案でも浮かんだのか、身体を私の方へ向けて来た。
「先輩の過去の恋愛を聞いてもいいですか?」
「え?」
「今まで本当にそういう流れになった事が1度も無いんですか?」
「…………ううん、無いわけじゃない」
「じゃあ、彼氏はいたんですね?」
「……うん」
「キスはしましたよね?」
「…………ん」
「その先は?」
「…………それとなく」
「それとなくって?」
真剣な顔つきで問い詰めて来る志帆ちゃん。
私が泣きついたから打開策を見出す為に色々考えてくれている。
そんな彼女に隠し事は出来ない。
私は今までの恋愛を1つずつ話し始めた。



