「私の方こそ、末永く宜しくお願い致します。辛い過去を思い出させてしまい、申し訳ありませんでした。でも、彼の全てを支える決心が漸く出来たように思います。これで、一点の曇りもなく、彼の胸に飛び込めそうです」
涙ぐむ叔母様と手を取りあって、自然と笑みを溢れさせた。
その後、翌週に行われる27回忌の場所と時間を教わり、叔母様が手配して下さったタクシーで私はレストランを後にした。
深夜1時過ぎ、自宅アパートに到着すると。
玄関横のすりガラスから灯りが漏れていた。
「えっ?」
思わず、ドアノブを回す手が震え出す。
そして、ゆっくりとドアを開けると……。
「どこに行ってたんだよっ!!」
物凄く険しい顔の彼が仁王立ちに立っていた。
「ちょっと……」
「ちょっとって?何で携帯の電源入って無いんだよ」
「っ……」
「携帯は繋がらないし、家にもいない。会社にもいないし、相澤も知らないって言うし。俺がどれだけ心配したか、解ってんのかッ?!」
「…………ごめんなさい」
「事故にでも遭ったんじゃないかって、すげぇ心配したんだからな?」
「ッ!!………本当にごめんなさいっ……」
彼の口から“事故”という単語を言わせてしまった。
心配をかける事自体いけない事なのに、辛い過去と重ね合わせてしまったのでは?と心が痛む。
自分が取った軽率な行動で、また彼を不安にさせてしまった。
「ごっ……めんなっ……さいっ……ッ……」



