「いらっしゃい。今日は1人なの?……大和は?」
「あのっ………その、今日はお話があって、私1人で伺わせて頂きました」
「…………あら、そうなの?じゃあとりあえず、上で待ってて貰える?もう少しで閉店になるから」
「あっ、はい!お忙しい時間帯に申し訳ありませんっ!!」
「いいのよ~そんな気を遣わないで。さぁ、上がって?」
「………はい」
叔母様は私を2階の自宅用階段へ促すと、店内へと戻って行った。
2階に上がり、迷わず指先を伸ばす。
すっかり勝手もインプットされている。
入口左側にある照明のスイッチを押し、リビングの灯りを点け、ソファへと歩み進めた。
コートと鞄をソファの脇に置いて、静かに腰を下ろすと。
「小町ちゃん、紅茶で良かったかしら~?」
「あっ、はい!いえっ、お気遣いなく!!」
「フフッ、緊張してるの?」
「…………すみません」
叔母様が紅茶を手にして現れた。
そして、この前彼がかけたくれたのと同じレコードを流してくれる。
緊張でガチガチだった私の心が、ほんの少し緩和された気がした。
すると、叔母様は私の隣りに腰を下ろして……。
「話って、何かしら?」
「え、あの……お店の方は宜しいんですか?」
「あっ、お店?えぇ、大丈夫よ。残り二組だし、ラストオーダーも済んでるし、バイトの子と主人に任せて来たから」
「………すみません」
柔和な表情でカップに口をつける叔母様。
その仕草がどことなく彼に似ていて、心が少し温かくなった。



