結局、その後も話は平行線のままで。
時間が経つにつれ、彼の表情が曇り出したのを感じて、私はさり気なく話を打ち切った。
やっぱり、何かが引っ掛かる。
だけど、しつこく詰問出来る話題じゃないだけに慎重にならないと。
うちの会社は、GWに大感謝祭セールを毎年行っている。
それもあって、彼は日増しに仕事に追われるようになった。
そんな彼に合わせるように、私が彼の家に泊まりに行く事が増えたが、寝に帰るだけのような日々を過ごす彼。
疲れ切っている彼を癒す所か、余計な心配事を増やす訳にはいかなかった。
顔を合わせ、お互いの温もりを感じても、どこか心がすれ違っているように思えてならなかった。
そんな生活を10日程過ごした、ある日。
私は思い切って行動に移す事にした。
彼が結婚を急ぐ理由と本当の気持ちを確かめたくて……。
遅番の勤務を終え、私は会社前の大通りでタクシーを拾った。
向かう先は、彼の叔母様のあの店。
彼の運転でしか行った事が無いけど、大体の場所は解る。
しかも、丘陵地の頂上付近にあるレストランとなれば、地元なら有名だと思って。
だから、一旦最寄りの駅までタクシーで向かい、そして地元のタクシーに乗り換えた。
小1時間程して、無事目的地のレストラン『Cielo stellato』(シエロ ステラート:星空)に到着した。



