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「主任、すみませんっ!!」
「謝罪の言葉はいいから、シュレッターにかけた分のデータを再プリントして!!」
「はいっ!!」
早番の就業時刻を過ぎ、退社しようとしていた時、入社3年目の部下が泣きついて来た。
明日次長に提出する予定の販売実績のファイルを、間違えて処分してしまったようで。
雷を落とした所でファイルは戻って来ない。
仕方なく、作り直す羽目になった。
しかも、ただデータをプリントアウトするだけでなく、販売実績は該当商品の写真や規格(グラムや特別パッケージの有無等)を添付する作業を要する。
さらに、私独自のデータ処理として、該当期間の天気や災害などを書き込むように心掛けている。
今日に限って………麻生さんと待ち合わせしてるのに。
プライベートより仕事に重きを置いている為、私は無心に作業に打ち込んだ。
データファイルが出来上がったのは19時を少し回った頃。
「じゃあ、これを次長のデスクに」
「はいっ!主任、有難うございましたッ!!」
「次からは十分気を付けてね」
「はい!!」
「じゃあ、私はこれで。お先に」
「お疲れ様でした!!」
遅番の彼女を事務所に残して、私は急いで更衣室へと向かった。
更衣室に着いた私は、物凄い勢いで着替えを済ませる。
本当はメイクも直したいし、オーラルケアもしたい所だけど……。
時間が無い。
もしかしたら、もういないかもしれないし。
私はロッカーから鞄を取り出し、コートを手にして更衣室を飛び出した。



