「社内恋愛って事は、好きな子が社内にいるって事だよね?」
「ん」
「そうかぁ。う~ん、正直言って、難しいかな」
「だよな」
「相手の子にもよるけど、志帆ちゃんみたいに動じない子なら何とかなると思うけど、絶対虐めに遭いそうだよね」
「………だよな」
「その子、どんな感じ?ってか、私の知ってる子?」
「………」
今まで相場と恋バナをした事は無い。
同期会で『恋人がいるのか?』なんて話題が出る事はあったけど、お酒の席だから旨い事かわしてたような……。
「私が言うのもなんだけど、相場次第じゃない?」
「ッ?!」
「相場が、その子をしっかりと守ってあげれるなら……いんじゃないかなぁ?」
「そう………思う?」
「うん。私達もう30歳だしさ、恋の1つや2つあったっておかしくないし、それこそ、結婚してたっていい年だしね」
「そうだよな」
「ん」
相場はホッと安堵したような顔つきに変った。
そして、
「ありがとな、話……聞いてくれて」
「ううん、別に大した事じゃないし」
「俺、……………その子に告ってみようと思う」
「うん、頑張って。上手くいくように祈ってる」
「おぅ」
お互いに笑みを零し、再び箸を進めた。
お店を出て、彼の車で自宅へと送って貰う事に。
「ごめんね?……方向が逆なのに」
「いいって、気にするな」
相場の車には何度か乗せて貰った事がある。
アウトドアが趣味の彼に似合う4WD。
ムスクの香りが鼻につく、ちょっとワイルドな雰囲気の車。
その車が自宅アパートの前に停車した。



