社内で彼の噂を聞かない日は無い。
元々不動の人気がある彼だから、当然の事だけど……。
少し距離を置いて見聞きする彼は、本当に素敵過ぎる。
そんな彼と一時でも傍に居れた事に感激すら覚える。
新年度を迎え人事異動もあって、社内は少し色めき立っている。
というのも、配送センターから本社勤務に移動になった人物が、風を巻き起こしていると言っても過言じゃない。
以前からスーリールの3大イケメンと称される男のうちの1人。
相場智之(あいば ともゆき)30歳。
私と同期で、麻生さん、皆川さんと並んでうちの看板メンズ。
ガテン系の皆川さん。
爽やか系の麻生さん。
そして、可愛い系の彼。
そんな彼が配送センターから移動して来て、本部の事務員は毎日黄色い悲鳴を上げている。
感謝セール用の商品一覧のJANコード表を作成していると、
「小町、この間のシステム変更の報告書に判を貰いたいんだけど」
「ん?………どれ?」
同期入社という事もあり、彼は私を『小町』と呼ぶ。
年に2回開かれる同期会でも結構フランクに話せるうちの1人。
彼から書類を受取り、受領印を押す。
彼はシステム課に所属していて、配送センターのシステム業務から本部のシステム管理に移動になった。
我が社のシステムの殆どをこの男1人で管理していると言っても過言じゃない。
だからこそ、女子社員のかっこうの的なのだ。



