「で?………こんな時間に、何の用?」
「…………はっ……話したい事があって……」
「ふぅ~ん」
彼は私を一瞥し、再び水を口にした。
そんな仕草1つでも見惚れてしまう。
カッコ良すぎる。
だけど、今はそんな悠長な事をしてる場合じゃない!
「あのですね」
「………ん」
「えっと………」
真っ直ぐ見据えられて、言いたい事が頭から消えてゆく。
ダメだ。
このままじゃ、彼のペースに呑まれて言えそうにない。
こうなったら、最後の手段!!
私はスッと立ち上がって、彼のすぐ横に腰を下ろした。
自分でしておきながら、心臓の稼働率を把握出来てない。
急に物凄い速さでドクドクと言い出した鼓動は、もはや深呼吸くらいでは落ち着きそうに無い。
膝の上で震え気味の手をゆっくりと横にスライドさせて……。
彼の手からペットボトルを取り上げ、テーブルに置いた。
そして、勇気を振り絞って身体を彼の方に向けて――――。
空いた彼の手に自分の手をそっと重ね、その手を自分の胸元にゆっくりと寄せた。
そんな私の行動に驚きつつも抵抗する事無く、彼は私がしようとしている事を、言おうとしている事をただじっと受け入れてくれるような表情をしてくれた。
そんな彼を真っ直ぐ見据え、私は胸に納まりきらなくなった想いを1つ1つ丁寧に言葉にしてゆく。



