――――ピンポーン
23時を回ろうとしている時間帯に自宅訪問。
嫌がらせと思われても仕方ない。
「………はい」
「あっ、あの………早坂ですが」
「えっ……?」
ドア越しだけど、久々に美声が聞こえて来た。
もしかしたら、不在かもしれないと思って、一応合鍵は持参している。
カチャッ。
「…………」
「あのっ、夜分にすみません!………お邪魔してもいいですか?」
「…………」
「麻………生………さん?」
ドアの隙間から私の姿を見て、固まっている。
まさか、こんな時間に連絡も入れずに来るとは思ってもみなかったのだろう。
でも、そんな事は承知の上。
というより、確信犯に近い。
だって、事前に連絡を入れておいたら、何だかんだと理由をつけて逃げられてしまうかもしれないと思ったから。
それなら、驚かれても罵声を浴びたとしても、本人に逢えるのなら非常識と思われようが気にしない。
それくらい、私の中では今日の決意が固い事を示している。
「あのっ……、もしかして、もう休まれてましたか?」
ドアの隙間から見える彼の服装があまりにラフな感じで、予想外の展開を脳内が弾き出した。
不在の場合は考えていたけど、既に寝てる事なんて想定外で……。
やっぱり、連絡を入れてから来るべきだったのかもしれない。
申し訳なさと悔しさと……やり場のない想いが零れ出す。
無意識に視線が足下に落ちてゆくと、



