「志帆ちゃん、おかしなところ無い?」
「大丈夫ですよ。先輩はいつでも綺麗です」
「ありがとっ、頑張って来るね?」
「はい。明日にでもメール下さいね?」
「ん」
遅番勤務を終え、更衣室内で志帆ちゃんに最終チェックをして貰っている。
私は今から彼の家に行くつもり。
3週間ぶりというのもあるけど、それよりもっと緊張する事がある。
それは、今日…………彼に気持ちを伝えるという事。
しかも、アポなし突撃告白なのだから、緊張感は半端ない。
明日は公休日という事もあり、告げるなら今日だと思う。
だって、翌日の勤務時間を考えてたら、言いたい事も言えず後悔する気がして……。
それに、万が一って事も考えて………。
ついさっき、宿直用のシャワー室で体を清めて来た。
別に気合いを入れてるとかじゃないんだけど、本当に万が一を考えての結果。
だって、私の完敗を告げる訳なんだから、結果は必然的に見えてるし。
それでも、やっぱりなけなしのプライドがそうさせる。
いつが初めてになるのか分らないんだから、後悔しない為にも。
志帆ちゃんと別れ、会社を後にした。
麻生さんの家までは所要時間40分。
自分の気持ちを整理する最後の時間だ。
バスに乗り込んで、気持ちを落ち着かせる。
大丈夫、気持ちを打ち明けるだけだから………そう何度も言い聞かせて。



