自分の気持ちを素直に打ち明けなければ、彼との距離は開いたままだ。
だけど、それは当然私の敗北を意味する訳で……。
私が負けたら………例の約束が。
でも、考えようにもよるかな。
だって、好きな人とすると思えば、成り行きがどうであれ……同じ事だもん。
「私、………伝えてみようかな」
「大丈夫ですか?………心の整理はつきそう……?」
「ん~。今はまだだけど、好きな人になら………って思えるから」
「うん。それなら私も安心です。やっぱり、気持ちが1番大事ですから」
「そうだね」
「きっと彼も今頃、先輩に毒吐いた事を後悔してると思いますから、少しくらい反省させた方が良いですよ!」
「そんなもの?」
「ハイッ!そういうものです!!」
キッパリ言い切る志帆ちゃんに思わず笑みが零れた。
「それに、先輩にも心の整理を図る時間が必要ですし」
「………そうね」
「ここは言うなれば、恋の駆け引きという所でしょうか~?」
「フフッ、そうかも」
志帆ちゃんに伝えた事で、更に気持ちが落ち着いて来た。
悩む事は沢山あるけど、悩みの無い恋なんて恋じゃないし。
だから、今は………彼への想いを募らせる大事な時間。
『早坂小町』として、自分の全てを捧げたいと思うまで……。
年度末の繁忙期。
嫌でも仕事は山積みで……。
気付けば、彼と連絡を取らなくなって3週間が過ぎようとしていた。



