私の声に反応するように目を開けてくれた。
けれど、彼の視線が昨夜の彼とは別人のよう。
鋭い眼光で射抜かれてしまいそうで、少し怖い。
「何か……用か?」
“空気が読めない女は嫌いなんだよ”と言われている気がして、委縮してしまう。
だけど、こうして会社で会話出来る事なんて滅多にないし、彼が仕事してる所を見るもの奇跡に近い。
だから、勇気を振り絞って手にしているお茶を差し出した。
すると、渋々それを受取った彼は、お得意の値踏み視線を向けて来た。
「用が済んだのなら、さっさと持ち場へ戻れ。邪魔だ」
「っ……」
「それとも何か?仕事をしてる俺があまりにカッコ良くて、見惚れてんのか?」
「ッ?!」
「今は勤務中だ。俺に話しかけんな」
言葉は乱暴だし、態度は冷たいし、視線は凍りそうなほど鋭いけど……。
私は知っている。
こういう態度をする時は、感情の裏返しなのだと。
もしかして、私が何かしたんじゃない?
だから、私に対して刺々しいんだ。
思い当たる事と言えば………さっきの浩二との会話?
チケットのお礼は口にしたと思うけど、それ以外に何か話したっけ……?
脳内で状況整理を始めると、
「今日の小町は49円」
彼はまたもや私を価格で評価した。
しかも、49円って低すぎない?
今日の私は………最安値を更新した。
傷付いていないと言えば嘘になる。
やっぱり好きな人には良く見て貰いたい。
だけど、目の前のこの男には常識や良識は通用しない。
私が彼にこんな暴言を吐かせたんだとすると………。



