「あっ、思い出した!アンタ、メドゥーサだ!!」
「はぁ?!」
メドゥーサ?!
どこをどう見たら私がメドゥーサに見えるわけ?!
この人の頭の中、可笑しいんじゃないの?
選挙カーだとか、メドゥーサだとか。
例えればいいってもんじゃないでしょ!!
嫌悪感を露わにして睨みつけていると、
「何年か前の忘年会で石関食品(漬物メーカー)の社長に、その貧相な尻を鷲掴みされてただろ」
「ッ?!」
何なの、この人!!
思い出したくもないあの出来事をサラリと持ち出して、しかも……何ですってッ?!
貧相な尻?!
貧相で悪かったわね!!
それに、何?
鷲掴みされてたんじゃなくて、撫で回されてたんだってばッ!!
「あの時のアンタ、髪が逆立つくらいに殺気立ってたよな~」
「ッ!!」
「今にもこの辺から怨霊がブォーッて出て来るかと思った」
彼は自分の後頭部ら辺に手をかざして、両手を広げるみたいにジェスチャーしている。
触れて欲しくない過去を嘲笑うように楽しそうに話す男。
ちょっと前まで笑顔が素敵……なんて思ってたけど、前言撤回!!
あれはあくまでも似非紳士スマイルで、今目の前にいるコイツが本物の麻生大和だ!
しかも、何なの?
ジェスチャーを止めたかと思えば、再び値踏みするみたいに癪に障る視線を向けて来た。



