「そう言えば、アンタも俺の事、狙ってたんじゃねーの?」
「はっ?」
「だって、帰ろうとしてたのに、俺の登場に急に帰るのを止めただろ」
「そっ、それは………」
別に狙っていた訳じゃない。
だけど、彼女達と同じように話をしてみたいと思った。
だから、咄嗟に返す言葉が見つからない。
恥かしさと悔しさのあまり、手をギュッと握りしめると……。
彼は値踏みするかのように上から下へ下から上へと視線を移し、キュッと口角を歪ませて……。
「悪いが、セール品に興味はない」
「はっ?」
突然、失礼極まりない台詞を吐きやがった。
『セール品』ですって?!
三十路目前の私が、いい歳してミニスカートを穿いてるからって!
言っていい事と悪い事があるくらい判断がつかない訳?!
何なの?!
イケメンだからって、何を言っても許されるとでも思ってるわけ?!
冗談じゃない!!
顏ヨシ、声ヨシ、見た目ヨシ。
しかも、仕事も出来る文句なしのイケメンでも……!!
性格が歪んでたら何の意味も無いじゃない!!
カッチーンと来た私は更にギュッと握りしめた。
すると、彼は間を詰めるように1歩近づき、骨ばった長い指を顎に当てた。
そして、眩しいものでも見るかのように目を細めて眉間にしわを寄せた。
そんな彼をじっと凝視してると。



