「俺はここで寝るから、お前はベッドで寝ろよ?」
「えっ、でも……」
「時間になれば、仕事に行くから心配すんな」
「…………はい、すみません」
「フッ、今日のお前は謝ってばっかりだな」
「……しょうがないじゃないですか」
「まぁな」
女性なら誰しもキュンとしてしまいそうな優しい笑みを浮かべながら、彼は私の頭を一撫でした。
「おやすみ」
「…………おやすみなさい」
ソファに腰掛ける彼に会釈し、ベッドへと向かう。
彼の家の彼のベッドに図々しく潜り込む私。
室内が温められている事に胸の奥がきゅーっと疼く。
彼はソファで寒くないのかしら?
暖房がついているとは言え、寒いような気がしてならない。
だって、自分の家のソファで寝る事を考えたら、絶対寒いに決まってるもん。
……どうしよう。
かと言って、ベッドは1つしか無い。
脳内で打開策を見出すべく寝返りを打つと――――。
あっ、これって、ダブルベッドだ。
布団の中で両手を広げてみる。
大の字になっても、ベッドから手足が出る事がない。
だとすると、2人で横になっても大丈夫じゃない?
彼の『何もしないから』という言葉を信じたら……。
何度も何度も考えて、あらゆる想定をシュミレーションしてみた。
そして、私の中で出た答えは―――――。



