警察で被害届を出し、その場でカード会社に連絡を入れた。
そして、日付が変わる頃、漸く警察署を後にした。
「眠かったら、寝てていいぞ?」
「すみません。少しだけ横になってもいいですか?」
「あぁ」
遠くまで迎えに来て貰っておきながら助手席で寝るだなんて、本当はいけないって解ってる。
だけど、足は痛いし、精神的苦痛で………身も心もボロボロだ。
私は彼の言葉に甘えてシートを倒し、横になった。
相変わらず、丁寧な運転と仄かに香る柑橘系の香り。
疲れがドッと出て来たのと、安心感から……心地良い眠りに落ちて行った。
「………ちっ、小町」
「………んっ……?」
肩を軽く揺すられ、重い瞼を開けると。
「今日は俺のうちに泊まって行け」
「え?」
「別に変な意味で言ったんじゃない。この前の事は、本当に悪いと思ってる。謝ろうとしたんだけど、中々電話する機会がなくて……」
「………」
「アパートに帰っても、鍵が無ければ入れないだろ」
「あっ……」
「だから、とりあえず……今日はうちに泊まって行け。マジで何もしないから」
「………」
麻生さんは気まずそうに顔を歪めた。
もしかしたら、本当にこの前の事を悪いと思ってるって事?
彼の真意はいまいち解りかねるけど、今日ばかりはお世話になるしかなさそうだ。
「では、お言葉に甘えて……」
「………ん」
私の言葉に小さく頷いた彼。
その表情は、ほんの少しだけ安堵したように感じた。



