「『大丈夫か由美』って言われたときはもう、
恋に落ちてました……//」



「私の名前知ってたんだ~
って、嬉しくてっ//」


輝、ばっちり由美ちゃんの名前呼んでたじゃない……。何が覚えてないよっ。



「その後すぐにどこか行っちゃったんで、
必死に先輩の後をつけました!
見失いましたけど……」



「その後は、先輩にいじめられることもなく、
落ち着いた学校生活を送れました。
それもこれも、輝先輩のおかげなんです。
それからは、
頑張って可愛くなる努力しましたっ」



「すごいね由美ちゃん。頑張ったんだ」




「輝先輩が、何で名前を忘れてしまってるのか分からないですけど、
私を助けてくれたヒーローなんです!」



「そっか……」


輝がヒーローか……。


いい人じゃん輝。


輝は私からしても、

正樹の件で助けてくれたヒーローだけどね。



「あ、輝先輩には言わないでください!
私のことを思い出すまで、
先輩にアタックし続けますからっ」



「あ、う、うん……」



「それで、先輩がもし、
私を選んだらごめんなさいっ」


てへっ、っと言われてしまった……。



「私、美咲先輩も好きになりました!
今日はありがとうございました!
それじゃあさようならっ」


ぺこっと頭を下げ、

空き教室から出て行ってしまった。