「ださかったし、
部活の先輩たちからいじめにあってたんです」
いじめ……。
「今となっては、
私も悪い部分あったんですけどね」
笑いながら言う由美ちゃん。
「誰かに助けは求めなかったの……?」
「みんな怖がって、ダメでした。
たっくん……
あぁ、私と一緒にいた男の子覚えてます?」
「あ、好青年って感じの子?」
私より数cm大きくて、
サラサラな黒髪で、
見た目からしていい子そうな感じだった。
「そうです。石田拓海って言うんですけど、
たっくんって愛称がありまして」
「そのたっくんがどうしたの?」
「たっくんだけは心配してくれたんです。
クラス委員長もやってたんで、
私のことも心配してくれたんでしょうね」
「そうなんだ」
たっくんか……
ほんとにそれだけの理由なのかな?

