「昔はさ、うまくいかなかったことがあるたびにここにきてたんだ」
「え?完璧な輝が?」
「だから俺は完璧な人間じゃないっての。俺にだって悩みごとくらいある」
「今も何か悩み事あるの?」
気づかなかったけど、輝は何か抱えてることでもあるのかも……。
だから、今日ここにきたのかな。
「いや、ねぇよ」
「じゃあ何でここに?」
「今日は特別」
「……?」
特別ってどういうこと?
「けっこう暗くなってきたな。ちょっと縁まで行こうぜ」
「うん」
輝に手を引かれ、奥まで進む。
「わぁ……」
思わず声が出てしまった。
丘から望む景色があまりにも綺麗だったから。
街は灯りをつけはじめ、
オレンジがかった灯りと外の暗がりがとても綺麗だ。
こういう高台では見たことがなかったから、私は感動した。

