｢おまたせー！｣
｢おう、じゃあ行くか｣
リビングに行くと、輝も準備を終えていた。
｢ねぇ、どこ行くの？｣
｢秘密｣
｢えーなんでよ｣
｢なんでもだよ。いいから行くぞ｣
家を出て、手を繋ぎながら歩く私たち。
そしたらいつの間にか駅に着いていた。
｢え、電車乗るの？｣
｢そう、はい切符｣
｢あ、ありがとう！｣
輝、準備が早いな…。
それにしてもどこに行くんだろう。
切符の値段からして、ちょっとかかってるし。
輝に何処と場所を聞いても、
『教えない』
『秘密』
しか返ってこない。
｢もう、教えてくれたっていいじゃん｣
｢分かった分かった。最寄りは××駅、以上。いい子ちゃんならもう何も追求するな｣
××駅って、やっぱりちょっとここから遠い。
｢ほら、電車きたぞ｣
｢うん｣
うわぁ。すごい人。
普段あまりこの夜の時間帯の電車に乗らないから、ちょっとびっくりしてしまった。
｢美咲、大丈夫か？｣
｢うん、大丈夫｣
人が多いから、輝との距離も自然と近くなる。
