「輝くん……」


聞いておきたいことがあるけど、

聞いてしまったら、

輝くんはどう思うだろうか。



「うん?」



「あの……」


でも……



「輝くん、もうお祭りはいいの?」



「うん。もう十分楽しんだ」



「じゃあ帰ろっか」



「うん!」


輝くんは笑顔で答える。


よかった、元気そうで。


やっぱりこの話はしないでおこう。




「輝、やきそば買っといてくれた?」



「俺が全部食べといたぞ」



「え!?ひどい!」



「お前が迷子になってるのが悪い」



「なりたくてなってたわけじゃないしっ」



輝くんはちょっとお怒りモード。



「もう、輝も意地悪しないの。
やきそばなら私の分がここにあるよ」



「わーい。ありがとう美咲!」



「甘やかすなよ美咲。
自分で並んで買ってないんだから、
こいつのはなし」



「なんだよ輝のバーカ」



「はぁ?言ったな?」



輝くんが無事見つかったと思ったら、

また始まっちゃったよ。


2人とも懲りないな~。



「2人ともいいかげんにしなさい!!」



「「……はい」」