「大地がどうした?」
「熱出しちゃったらしいの。それで優里は看病するから、今日はお祭り行けないって」
「へぇ~優里ちゃん可哀想に」
「え、そっち?」
大地くんの心配しようよ。
「大地のことだからすぐ治る。それより、優里ちゃんと祭りに行けないってことに泣いてんじゃねぇかな」
「泣いてる……」
そういえば優里がさっき、大地くんが泣いてるとか言ってたよね?
そ、そういうことか。
『あぁ優里ごめんなっ俺のせいで~……』
って、大地くんのことだからこんな感じかな。
たしかに大地くん、
優里とお祭り行くの楽しみにしてたな~。
それにしてもさすが輝。
大地くんのことよく分かってる。
「ま、今日は3人で楽しもうぜ」
「そうだね」
「あいつ、祭りすごい楽しみにしてるっぽいし」
輝くんを見ると、持ってきた紺色の甚平に着替えていた。