「まさかお前、吸血鬼? この十字架が怖いのか」
圭介は首からネックレスを外し、福山に見せ付けた。
「……!」
やはりそれが怖いようで、福山は顔を背けた。
「お前、化け物か! かどわかし目的で、真姫に近づいたのか?」
十字架で脅しながら、畳み掛ける。
「答えろ!」
十字架を押し付け、回答を強いる。
「よ、吉野くん。もうやめたほうが」
福山の苦悶の表情に耐えかねて、真姫は制止した。
「真姫は向こう行ってろ。俺が今、こいつの正体を暴いてやる」
その時。
「吉野くーん」
同じクラスのオタク男が、駆けつけてきた。
先ほど圭介の様子がおかしかったので、心配して後を追ってきたらしい。
静香の姿も見える。
「真姫、いったいこれは。……あっ!」
駆けつけた麻美も、真姫の向こうにいる福山の異変に気が付いた。
「みんな近づくな! こいつは人間じゃない! その証拠がこれだ!」
圭介は再度、福山に十字架を見せつけた。
福山は耐え切れず、顔を背け……。
さらに加速度を上げて、朽ち果て始めた肉体。
闇の中に君臨する月のような美貌が、損なわれていく。
圭介は首からネックレスを外し、福山に見せ付けた。
「……!」
やはりそれが怖いようで、福山は顔を背けた。
「お前、化け物か! かどわかし目的で、真姫に近づいたのか?」
十字架で脅しながら、畳み掛ける。
「答えろ!」
十字架を押し付け、回答を強いる。
「よ、吉野くん。もうやめたほうが」
福山の苦悶の表情に耐えかねて、真姫は制止した。
「真姫は向こう行ってろ。俺が今、こいつの正体を暴いてやる」
その時。
「吉野くーん」
同じクラスのオタク男が、駆けつけてきた。
先ほど圭介の様子がおかしかったので、心配して後を追ってきたらしい。
静香の姿も見える。
「真姫、いったいこれは。……あっ!」
駆けつけた麻美も、真姫の向こうにいる福山の異変に気が付いた。
「みんな近づくな! こいつは人間じゃない! その証拠がこれだ!」
圭介は再度、福山に十字架を見せつけた。
福山は耐え切れず、顔を背け……。
さらに加速度を上げて、朽ち果て始めた肉体。
闇の中に君臨する月のような美貌が、損なわれていく。