「吉野くん」
講義が終わった後、真姫は圭介を追いかけるようにして、テラス部分に出た。
三階の廊下を真っ直ぐ進み、扉を開けるとテラスに続いている。
地学系の学生たちが、そこでよく太陽の高度を調べたりしている。
三方は金網で囲まれているが、一般の学生にも解放されている。
弁当を食べに来たり、休み時間に憩いの場として利用したり。
そしてこの日、講義が終わるとすぐに圭介はテラスに出た。
端まで歩み出て、金網越しに空を眺めていた。
「ごめんなさい、私……」
何から謝っていいのか分からず、真姫は言葉を失ってしまった。
「なぜお前が謝る? 俺があの時お前にあんなことをしなければ、こんな結果にならなかったんだから」
「だって私が吉野くんを突き飛ばしたのが原因なんでしょ? それでバランスを崩して転落したんだよね? 私が吉野くんをそんな目に……」
「違う」
自分を責め続ける真姫を、圭介は押し止めた。
講義が終わった後、真姫は圭介を追いかけるようにして、テラス部分に出た。
三階の廊下を真っ直ぐ進み、扉を開けるとテラスに続いている。
地学系の学生たちが、そこでよく太陽の高度を調べたりしている。
三方は金網で囲まれているが、一般の学生にも解放されている。
弁当を食べに来たり、休み時間に憩いの場として利用したり。
そしてこの日、講義が終わるとすぐに圭介はテラスに出た。
端まで歩み出て、金網越しに空を眺めていた。
「ごめんなさい、私……」
何から謝っていいのか分からず、真姫は言葉を失ってしまった。
「なぜお前が謝る? 俺があの時お前にあんなことをしなければ、こんな結果にならなかったんだから」
「だって私が吉野くんを突き飛ばしたのが原因なんでしょ? それでバランスを崩して転落したんだよね? 私が吉野くんをそんな目に……」
「違う」
自分を責め続ける真姫を、圭介は押し止めた。



