「……」
迷った挙句、圭介はためらった。
静香や真姫の懇願を聞き入れたわけではない。
このまま抱き返して、身も心もこの腕の中に閉じ込めてしまいたいと願うのだけど。
どこかにためらいがある。
職業倫理?
それとも罪悪感?
「先生、私を包み込んで暖めてください」
温もりをせがむ。
こんなにも愛しいと感じているのに、応えることができない。
夜風に緩やかに揺れる、美月姫の長い髪を撫でた。
それだけがやっとだった。
「……そろそろ帰ろうか」
帰宅を促して、美月姫を車に連れ戻すのが、いつも一苦労。
帰りたくないとその瞳が訴えている。
「ずっと先生と一緒にいたい。あと一ヶ月で札幌に帰らなきゃならないのも、疎ましいくらいです」
「そうだな……」
「でもその前に、旅行楽しみです。それまでにもあちこち連れて行ってください」
「今週末、日曜日はオフだから。……海でも行くか?」
「はい!」
次の約束を提示すれば、ようやく美月姫は安心して、帰宅の準備を始めてくれる。
迷った挙句、圭介はためらった。
静香や真姫の懇願を聞き入れたわけではない。
このまま抱き返して、身も心もこの腕の中に閉じ込めてしまいたいと願うのだけど。
どこかにためらいがある。
職業倫理?
それとも罪悪感?
「先生、私を包み込んで暖めてください」
温もりをせがむ。
こんなにも愛しいと感じているのに、応えることができない。
夜風に緩やかに揺れる、美月姫の長い髪を撫でた。
それだけがやっとだった。
「……そろそろ帰ろうか」
帰宅を促して、美月姫を車に連れ戻すのが、いつも一苦労。
帰りたくないとその瞳が訴えている。
「ずっと先生と一緒にいたい。あと一ヶ月で札幌に帰らなきゃならないのも、疎ましいくらいです」
「そうだな……」
「でもその前に、旅行楽しみです。それまでにもあちこち連れて行ってください」
「今週末、日曜日はオフだから。……海でも行くか?」
「はい!」
次の約束を提示すれば、ようやく美月姫は安心して、帰宅の準備を始めてくれる。



