四百年の恋

***


 「先生は、どっちがいいですか?」


 「!」


 せっかくの美月姫との時間なのに、圭介はまた余計な考えごとをしていた。


 二つに一つを選ぶように言われ、圭介は美月姫と「交際を宣言する」か「別れる」か、どうすべきか思いをめぐらしていたのだった。


 美月姫が持参した、旅行情報誌。


 連休の旅行の際に泊まる施設を探していたにもかかわらず、圭介は別なことを考えていた。


 可愛らしいコテージと、ログハウス。


 美月姫はこれら二つの中から、どっちがいいか圭介に尋ねていたのだった。


 「うーん……。この二つだったら、右側」


 とっさに話を合わせたのだが、


 「私も右です。意見が一致したから、これで決まりですね」


 美月姫はにこっと笑った。


 「予約……。私がやっておきますね」


 美月姫は手にしていた情報誌を片付けようとしたのだが、


 「いい、俺がやる」


 美月姫の情報誌を手に取ろうとした時、そっと指がふれた。


 「あ、悪い」


 「いえ……」


 美月姫はそっと目を伏せた。