四百年の恋

 「来週から九月ですね」


 「そうだな」


 「私は九月の下旬までは、実家にいる予定です」


 「新学期は10月上旬からだったな」


 「九月も下旬になると、もう夏休みって感じしないですよね。北海道の場合」


 「夏休みと秋休みがくっついたようなものだな」


 「そうだ、秋休みといえば。来月は連休がありますよね」


 「シルバーウィークってやつか? 今年は三連休だっけ? それとも四連休?」


 「先生の予定は?」


 「えーと……。確か一日だけ部活の対外試合の引率があって……。それ以外は休めたはず」


 「ならば連休に……旅行に行きませんか?」


 「旅行? 誰と?」


 「私と二人で」


 「え……」


 「この街に居る限り、二人でいても常に周囲を気にしていなければなりません。だからどこか遠くの町で……二人っきりで過ごしたいのです」


 「例えば、どこに?」


 「どこまでもずっと車を運転して、遠くに行きたいです。オホーツクとか、知床とか」


 「……」


 「ここじゃない、どこか遠くならば、どこでもいいのです」