四百年の恋

 「お前はまだ運転が未熟なんだから、無茶したらだめだぞ」


 「先生にもっと運転教えてもらって、あんな車ぎゃふんと言わせたいです」


 「だめだって。そういうのが交通事故の原因だ」


 圭介はこつんと、軽いこぶしで美月姫の額の上を突いた。


 ふとその時、美月姫の胸元に目が行った。


 トルコ石と推測される、濃いブルーの宝石が付けられたペンダント。


 それが胸元を彩っていた。


 今日美月姫が着用している夏用のブラウスは、胸元のV字が深く切れ込んでいて、胸の谷間が角度によってはあらわになる。


 (かなり長い時間運転するんだから、動きやすい格好で来いって言ったのに)


 にもかかわらず、美月姫は薄手の夏用ブラウスに、スカート姿で現れた。


 無意識なのか、胸の谷間がちらつかせるような。


 (胸の大きさまで、真姫そっくりだ)


 思わず圭介は目を逸らした。


 「先生、眩しいですか?」


 久しぶりの信号で停まった際。


 圭介が急に顔を背けたのを眩しい西日のせいだと思い、美月姫は助手席のサンバイザーを下ろそうとした。


 「いい、自分でやるから」


 美月姫の腕を遮り、圭介は自分でサンバイザーを下げた。


 美月姫に触れてしまいそうで怖かったからだ。