四百年の恋

 美月姫のことだ。


 圭介は察した。


 「彼女も……。ここにですか?」


 「そうですわ。かわいそうだけどあきらめるように忠告しておきましたわ。それか私のような、愛人になるか」


 その後も一言二言紫と会話をして、圭介は「夕映霞」を後にした。


 ……帰宅後、シャワーを浴びた後で圭介は、優雅に転送したメールの内容をおさらいしていた。


 「なぜ今までの友達や仲間を一方的に切り捨てたのか理由は聞かないが、やり残したことは本当にないのか? 中途半端で終わらせたことに対し、後から悔やむことのないように」


 主語ははっきり書かなかったが、遠まわしに美月姫のことを伝えたつもりだった。


 「後から悔やむことのないように」


 それは優雅に対する、最終通告だった。


 美月姫が優雅のことを好きだったことは知っている。


 だが優雅は、彼女の想いに応えることなく姿を消した。


 どういうつもりなのだろうか。


 いずれにしても、それに関しては白黒はっきりしてもらわなければならない。


 そうしない限り、いつまでも美月姫は心の整理がつかないだろう。


 新しい恋に踏み出せない……。