***
「あら先生、いらっしゃいませ」
入り口まで迎えに出て来たホステスには、すでに顔を覚えられている。
そして彼女は、圭介の服装を見て怪訝な表情を浮かべる。
高級キャバレー「夕映霞(ゆうばえかすみ)」に客として訪れるには不似合いな、ラフな格好。
圭介は美月姫を送り届けてから、この夕映霞に直行していた。
「客として来たわけじゃない。ママに伝言をし終えたら、すぐに撤収するから」
ママ、つまり清水の母親の紫は、接客中だった。
一段落するまで、圭介はカウンターで待たせてもらうことにした。
義理でウーロン茶一杯を注文。
なぜかこのような場所では、酒よりウーロン茶のほうが割高で不思議だ。
(下の自販で買ったほうが全然安いけど、まさか持ち込みってわけにもいかないし)
「先生、久しぶりですわね」
義理で注文したウーロン茶を飲んでいるうちに、紫が近づいてきた。
「今日もウーロンで?」
「ええ、帰宅途中にちょっと寄っただけですし。車ですので」
「たまにはお客として、いらっしゃればいいのに」
「今度同僚と共に伺います」
「……で、どんな用件で? 慌てて寄るくらいだから、相当お急ぎで?」
洋装と和装、紫の装束はその日によって異なるが、この日は艶やかな着物を身にまとっていた。
「あら先生、いらっしゃいませ」
入り口まで迎えに出て来たホステスには、すでに顔を覚えられている。
そして彼女は、圭介の服装を見て怪訝な表情を浮かべる。
高級キャバレー「夕映霞(ゆうばえかすみ)」に客として訪れるには不似合いな、ラフな格好。
圭介は美月姫を送り届けてから、この夕映霞に直行していた。
「客として来たわけじゃない。ママに伝言をし終えたら、すぐに撤収するから」
ママ、つまり清水の母親の紫は、接客中だった。
一段落するまで、圭介はカウンターで待たせてもらうことにした。
義理でウーロン茶一杯を注文。
なぜかこのような場所では、酒よりウーロン茶のほうが割高で不思議だ。
(下の自販で買ったほうが全然安いけど、まさか持ち込みってわけにもいかないし)
「先生、久しぶりですわね」
義理で注文したウーロン茶を飲んでいるうちに、紫が近づいてきた。
「今日もウーロンで?」
「ええ、帰宅途中にちょっと寄っただけですし。車ですので」
「たまにはお客として、いらっしゃればいいのに」
「今度同僚と共に伺います」
「……で、どんな用件で? 慌てて寄るくらいだから、相当お急ぎで?」
洋装と和装、紫の装束はその日によって異なるが、この日は艶やかな着物を身にまとっていた。



