今振り返って、そのまま抱きしめれば。
勢いで唇も重なるかもしれない。
……そうなればもう、歯止めが利かなくなる。
また際限のない過ちの輪の中に落ちていきそう。
「……さて先生も寒くなってきたな。陽も沈んだし、そろそろ帰ろう」
振り返って美月姫を離し、そう切り出したのだけど。
帰りたくなさそうな表情を見せる。
求めるようにふっくらとした唇も、真姫にそっくり。
「暗くなると、お化けがでるぞ。寒いし駐車場に戻ろう」
誘惑のような視線から身を振り解き、背を向けて駐車場に歩き出そうとした。
美月姫はその後を追ったのだが、圭介のTシャツの端をそっと掴んだ。
「どうした? 足元が見えにくいか?」
振り返らずに問いかけた。
「先生、またドライブに連れて行ってください」
せがまれた。
「いいぞ。また運転の指導ついでにこの辺りを……」
「……もっと遠くがいいです」
「え?」
「大沼とか、松前とか……。いや積丹(しゃこたん)や札幌でも」
勢いで唇も重なるかもしれない。
……そうなればもう、歯止めが利かなくなる。
また際限のない過ちの輪の中に落ちていきそう。
「……さて先生も寒くなってきたな。陽も沈んだし、そろそろ帰ろう」
振り返って美月姫を離し、そう切り出したのだけど。
帰りたくなさそうな表情を見せる。
求めるようにふっくらとした唇も、真姫にそっくり。
「暗くなると、お化けがでるぞ。寒いし駐車場に戻ろう」
誘惑のような視線から身を振り解き、背を向けて駐車場に歩き出そうとした。
美月姫はその後を追ったのだが、圭介のTシャツの端をそっと掴んだ。
「どうした? 足元が見えにくいか?」
振り返らずに問いかけた。
「先生、またドライブに連れて行ってください」
せがまれた。
「いいぞ。また運転の指導ついでにこの辺りを……」
「……もっと遠くがいいです」
「え?」
「大沼とか、松前とか……。いや積丹(しゃこたん)や札幌でも」



