***
「清水くん」
玄関から校門へと続く、吹雪の道。
卒業式だというのに、吹き荒れるのは桜ではなく雪。
春の嵐に見舞われている、卒業式の帰り道。
美月姫は帰路につく優雅を呼び止めた。
「何?」
優雅はゆっくりと振り返った。
表情に変化はない。
「ちょっと話があるんだけど」
「どんな話?」
「……ここじゃちょっとまずいから、改めて時間を作れないかな?」
「いつがいい?」
「帰宅後でも、明日でもいいんだけど」
「大村さん、まだ受験残ってるんでしょ? 終わってからのほうがいいんじゃない?」
優雅も後期日程の試験は残っているのだけど、前期で合格確実なので、もう受験勉強は打ち切っているらしい。
「そうかも……。私は後期日程受験濃厚だから」
「合格発表後、謝恩会が開かれるよね。その時でどう?」
「……了解」
「じゃ、その時改めて」
そう言い残して。
優雅は吹雪の中に消えていった。
「清水くん」
玄関から校門へと続く、吹雪の道。
卒業式だというのに、吹き荒れるのは桜ではなく雪。
春の嵐に見舞われている、卒業式の帰り道。
美月姫は帰路につく優雅を呼び止めた。
「何?」
優雅はゆっくりと振り返った。
表情に変化はない。
「ちょっと話があるんだけど」
「どんな話?」
「……ここじゃちょっとまずいから、改めて時間を作れないかな?」
「いつがいい?」
「帰宅後でも、明日でもいいんだけど」
「大村さん、まだ受験残ってるんでしょ? 終わってからのほうがいいんじゃない?」
優雅も後期日程の試験は残っているのだけど、前期で合格確実なので、もう受験勉強は打ち切っているらしい。
「そうかも……。私は後期日程受験濃厚だから」
「合格発表後、謝恩会が開かれるよね。その時でどう?」
「……了解」
「じゃ、その時改めて」
そう言い残して。
優雅は吹雪の中に消えていった。



