四百年の恋

 「どうかしたか?」


 圭介は平静を装って、恐る恐る訪ねた。


 「いえ。何でもありません。ただ清水くんが、あんなに東大受験に関して無関心っぽかったのに、結局は受験するんだなって」


 美月姫は何とかごまかした。


 「……奴はあの成績だしな。それにここだけの話、親の意向もあって、もう逃れられないだろう」


 この日は、センター試験の受験申し込みに際しての、再度の個人面談の場。


 圭介が美月姫の最終確認をしていたところ、たまたま優雅の話題になった。


 優雅の名前を出した時の、美月姫の微妙な表情の変化が気になったが……。


 圭介はあまり深くは考えなかった。


 最終確認を終えて、センター試験の申し込みを済ませた。


 一次試験は地元の会場。


 その結果を踏まえて、二次試験出願をどうするか、改めて確認することとなる。