***
「ごめんね。優しくできなくて」
どれくらいの時間が経っただろうか。
依然として白い霧が辺りを包む中、その行為を終えた清水はゆっくりと体を離した。
「……」
美月姫はしばらく体を動かせずにいたが、やがてゆっくりと上半身を起こし乱れた衣服を整え始めた。
言いようのない気だるさ。
体が震える。
火照った体を、ひんやりとした霧のヴェールが急激に冷やすから。
そして……。
「こっちも、余裕なくてさ」
一足先に衣服を整えた清水が、美月姫の髪に絡まった草を取った。
髪の毛ごしに、清水の温もりを感じる。
先ほどまではこの体の中に、その熱を受け入れていたというのに。
今はわずかに伝わってくる熱にすら、美月姫は動揺していた。
(どうしてこんなことに?)
美月姫は嵐のように過ぎ去った時間を振り返った。
闇の中、道に迷った。
例えようのない不安と孤独。
清水と再会した安堵感と安心感に煽られる形で、勢いで身を任せてしまった。
どちらから誘ったとか、そういうことは分からない。
視線が重なったその瞬間、お互い誘い合う形で体を重ねた。
言葉は一つもなかった。
無言で互いが互いを求め合うだけ。
水源地脇の人通りの絶えた森の片隅、草の上にて、二人は何かに導かれるままに求め合い、結ばれた。
「ごめんね。優しくできなくて」
どれくらいの時間が経っただろうか。
依然として白い霧が辺りを包む中、その行為を終えた清水はゆっくりと体を離した。
「……」
美月姫はしばらく体を動かせずにいたが、やがてゆっくりと上半身を起こし乱れた衣服を整え始めた。
言いようのない気だるさ。
体が震える。
火照った体を、ひんやりとした霧のヴェールが急激に冷やすから。
そして……。
「こっちも、余裕なくてさ」
一足先に衣服を整えた清水が、美月姫の髪に絡まった草を取った。
髪の毛ごしに、清水の温もりを感じる。
先ほどまではこの体の中に、その熱を受け入れていたというのに。
今はわずかに伝わってくる熱にすら、美月姫は動揺していた。
(どうしてこんなことに?)
美月姫は嵐のように過ぎ去った時間を振り返った。
闇の中、道に迷った。
例えようのない不安と孤独。
清水と再会した安堵感と安心感に煽られる形で、勢いで身を任せてしまった。
どちらから誘ったとか、そういうことは分からない。
視線が重なったその瞬間、お互い誘い合う形で体を重ねた。
言葉は一つもなかった。
無言で互いが互いを求め合うだけ。
水源地脇の人通りの絶えた森の片隅、草の上にて、二人は何かに導かれるままに求め合い、結ばれた。



