「大村さん、灯りになるもの持ってる?」
「それが……。携帯のバッテリー切れちゃって」
「そっか。俺は携帯、ホテルに置いてきちゃったんだよね」
外部とは連絡できない状態に変わりはない。
来た道を戻って、水源地の外に出るか。
はぐれた仲間たちを一刻も早く見つけるか。
通りすがりの人に携帯を借りて、仲間たちに連絡をするという方法もある。
何とかしない限り、闇を抜け出せない。
相変わらずの白い闇。
橋を降りると、再び水源地周辺を取り囲む森が拡がる。
足元が若干濡れていたので、気をつけて歩いていた美月姫は、一歩先を行く清水と差がついてしまった。
カーブを曲がると、清水の姿は木々に隠されて見えなくなった。
(うそ……!)
美月姫はまた、一人で深い森の奥に取り残されたような錯覚に陥る。
「待って!」
慌てて後を追う。
美月姫も急いでカーブを曲がり、清水に追いつこうとした時。
「離れちゃだめだって、言ったでしょ」
清水は待っていてくれた。
「……? どしたの、大村さん」
清水は美月姫の様子がおかしいのに気が付いた。
「……置いていかないで」
「置いていくわけ、ないでしょ。だからこうやって待っていたのに」
「私を一人にしないでください。……冬悟(とうご)さま」
「え?」
美月姫は無意識に清水に抱きついていた。
「それが……。携帯のバッテリー切れちゃって」
「そっか。俺は携帯、ホテルに置いてきちゃったんだよね」
外部とは連絡できない状態に変わりはない。
来た道を戻って、水源地の外に出るか。
はぐれた仲間たちを一刻も早く見つけるか。
通りすがりの人に携帯を借りて、仲間たちに連絡をするという方法もある。
何とかしない限り、闇を抜け出せない。
相変わらずの白い闇。
橋を降りると、再び水源地周辺を取り囲む森が拡がる。
足元が若干濡れていたので、気をつけて歩いていた美月姫は、一歩先を行く清水と差がついてしまった。
カーブを曲がると、清水の姿は木々に隠されて見えなくなった。
(うそ……!)
美月姫はまた、一人で深い森の奥に取り残されたような錯覚に陥る。
「待って!」
慌てて後を追う。
美月姫も急いでカーブを曲がり、清水に追いつこうとした時。
「離れちゃだめだって、言ったでしょ」
清水は待っていてくれた。
「……? どしたの、大村さん」
清水は美月姫の様子がおかしいのに気が付いた。
「……置いていかないで」
「置いていくわけ、ないでしょ。だからこうやって待っていたのに」
「私を一人にしないでください。……冬悟(とうご)さま」
「え?」
美月姫は無意識に清水に抱きついていた。



