「待って……!」
美月姫の声もまた、闇の中へと消えていく……。
「消えないで! お願い!」
虚しく叫び声があたりに響き渡ったその時、
「あ、大村さん」
「!」
急に誰かが現れた。
美月姫はかなり驚いたのだけど、名字を呼ばれたということは。
「清水くん……」
安堵した。
「よかった。この霧の中、迷子になっちゃったみたいで、焦ってたんだ」
清水が美月姫に向かって、ほっとした笑顔を浮かべた。
「実はさ、先回りしてみんなを驚かせようと、隠れて待ち構えていたんだ。でもどんなに待っても、みんな現れないんだもん。そのうち霧が濃くなって来て」
清水はおどけて舌を出した。
「私も、みんなとはぐれちゃって……」
美月姫は安心したのだけど、先ほどまでの焦燥が表情に色濃く残されていた。
「……怖かった?」
「当たり前でしょ。土地勘もない上に、方角も分からなかったんだから」
「大村さんって、不測の事態にも全く動じない人かと思っていたんだけど」
「動じないわけないじゃない。どっちに行けばいいのか分からないし、急に変な人が現れるし」
「変な人?」
美月姫の声もまた、闇の中へと消えていく……。
「消えないで! お願い!」
虚しく叫び声があたりに響き渡ったその時、
「あ、大村さん」
「!」
急に誰かが現れた。
美月姫はかなり驚いたのだけど、名字を呼ばれたということは。
「清水くん……」
安堵した。
「よかった。この霧の中、迷子になっちゃったみたいで、焦ってたんだ」
清水が美月姫に向かって、ほっとした笑顔を浮かべた。
「実はさ、先回りしてみんなを驚かせようと、隠れて待ち構えていたんだ。でもどんなに待っても、みんな現れないんだもん。そのうち霧が濃くなって来て」
清水はおどけて舌を出した。
「私も、みんなとはぐれちゃって……」
美月姫は安心したのだけど、先ほどまでの焦燥が表情に色濃く残されていた。
「……怖かった?」
「当たり前でしょ。土地勘もない上に、方角も分からなかったんだから」
「大村さんって、不測の事態にも全く動じない人かと思っていたんだけど」
「動じないわけないじゃない。どっちに行けばいいのか分からないし、急に変な人が現れるし」
「変な人?」



