「美月姫はいつも聞き役ばっかりだけど、いつか美月姫の恋バナも聞いてみたいな」
「私!? 無理無理。好きな人いないし」
「清水くんは?」
清水の名前を耳にすると、美月姫は一瞬どきっとする。
「だから清水くんは、ただ隣の席で……」
平静を装った。
「隣の席なのをきっかけに、仲良くなればいいじゃない」
「別に今のままで構わないし」
「清水くん、色んな女子から騒がれても、特定の彼女作ろうとしてないし。チャンスじゃない?」
友人が勧めて来る。
「ただの同級生としか思えないよ。それに清水くんは……」
美月姫はそこまで言いかけて、言葉を飲み込んだ。
清水優雅は、与党幹事長・丸山乱雪の隠し子。
とはいえ莫大な養育費を支払われているようで、裕福な暮らしをしている。
加えていずれは、丸山幹事長の跡を継ぐのでは……? との噂も。
「第一住む世界が、違うし」
美月姫はそう締めくくった。
そう思っていたし、思わざるを得ない現状だった。
「私!? 無理無理。好きな人いないし」
「清水くんは?」
清水の名前を耳にすると、美月姫は一瞬どきっとする。
「だから清水くんは、ただ隣の席で……」
平静を装った。
「隣の席なのをきっかけに、仲良くなればいいじゃない」
「別に今のままで構わないし」
「清水くん、色んな女子から騒がれても、特定の彼女作ろうとしてないし。チャンスじゃない?」
友人が勧めて来る。
「ただの同級生としか思えないよ。それに清水くんは……」
美月姫はそこまで言いかけて、言葉を飲み込んだ。
清水優雅は、与党幹事長・丸山乱雪の隠し子。
とはいえ莫大な養育費を支払われているようで、裕福な暮らしをしている。
加えていずれは、丸山幹事長の跡を継ぐのでは……? との噂も。
「第一住む世界が、違うし」
美月姫はそう締めくくった。
そう思っていたし、思わざるを得ない現状だった。