四百年の恋

 「ああ……。いつ来ても切ない気分になる」


 真姫との思い出が鮮明に思い出されるのと同時に、年々福山冬雅の人生に共鳴みたいなものを覚え始めたのも事実。


 「毎年恒例の月光姫と福山冬悟の慰霊祭、今年も夏至前の土・日に開催しますので」


 「とっくに調整済みだ」


 無念の死を遂げた、冬雅の弟・冬悟の慰霊祭。


 そして冬悟の永久の眠りの後を追うかのように、晩春の日本海に消えた真姫を追悼するための儀式。


 オタクの尽力により、毎年必ず夏至の直前の土日に開催されることに決まっている。


 圭介もその日は休暇を取り、この地に駆けつける。


 大学の同期たちも、ほぼ全員がここに集うことになるだろう。


 それは同窓会の役割を有し、そして互いに共有する思いを分かち合う大切な時間。


 あの事件の記憶は、18年経っても誰も消すことなどできないのだから。