「大丈夫!?」
「危なかったな」
木が倒れて土埃が収まった頃、急に揺れも止まった。
同行していた仲間たちが、続々真姫と圭介の元に集まってきた。
「ケガはしてない?」
麻美が心配そうに覗き込んだ。
「私は大丈夫」
真姫は土埃を払いながら圭介を見つめた。
全力で走ると、いまだに膝に違和感はあるものの、圭介にもケガはなかった。
「あ~~~~っ!」
近くにいたオタク男が、急に叫び声を上げた。
「どうしたの?」
静香が尋ねた。
「あ、あ、あ、あそこに……」
オタク男はガタガタ震えている。
「あそこにどうしたのよ」
「あそこに……人の骨が!」
「えっ?」
みんなが一斉に、オタク男の指差す方向を眺めた。
「ほんとだ!」
圭介の視界に、それは飛び込んできた。
今倒れたばかりの、老木「薄墨」。
そのめくれ上がった根元の下に、白骨は眠っていた。
「けっ、警察を」
慌てふためくオタク男。
「待て、警察を呼んでも無駄だ」
圭介がオタクを止めた。
「な、なぜです。これは事件ですよ事件」
「呼ぶならば考古学者じゃないのか? これは……福山冬悟だ」
「え……」
一同無言になった。
先ほどまで辺りを恐れさせた亡霊が消えた途端、木の根元から白骨が現れたのだから。
「冬悟……さま……?」
福山冬悟の名前を耳にした途端、真姫は白骨のほうへと向かって歩き出した。
確かめたいような。
現実を目にしたくないような。
ふらついた足取りで。
「危なかったな」
木が倒れて土埃が収まった頃、急に揺れも止まった。
同行していた仲間たちが、続々真姫と圭介の元に集まってきた。
「ケガはしてない?」
麻美が心配そうに覗き込んだ。
「私は大丈夫」
真姫は土埃を払いながら圭介を見つめた。
全力で走ると、いまだに膝に違和感はあるものの、圭介にもケガはなかった。
「あ~~~~っ!」
近くにいたオタク男が、急に叫び声を上げた。
「どうしたの?」
静香が尋ねた。
「あ、あ、あ、あそこに……」
オタク男はガタガタ震えている。
「あそこにどうしたのよ」
「あそこに……人の骨が!」
「えっ?」
みんなが一斉に、オタク男の指差す方向を眺めた。
「ほんとだ!」
圭介の視界に、それは飛び込んできた。
今倒れたばかりの、老木「薄墨」。
そのめくれ上がった根元の下に、白骨は眠っていた。
「けっ、警察を」
慌てふためくオタク男。
「待て、警察を呼んでも無駄だ」
圭介がオタクを止めた。
「な、なぜです。これは事件ですよ事件」
「呼ぶならば考古学者じゃないのか? これは……福山冬悟だ」
「え……」
一同無言になった。
先ほどまで辺りを恐れさせた亡霊が消えた途端、木の根元から白骨が現れたのだから。
「冬悟……さま……?」
福山冬悟の名前を耳にした途端、真姫は白骨のほうへと向かって歩き出した。
確かめたいような。
現実を目にしたくないような。
ふらついた足取りで。



