四百年の恋

 冬悟の法要が執り行われる前、なおかつ叔父の屋敷の中なら大丈夫だと姫も油断していた。


 (なのに寝込みを襲われるような形で、体を奪われるなんて!)


 「私たちも、聞かされていなかったのよ……」


 母親の説明によると。


 法要終了後、姫が逃亡するのを危惧した冬雅は、先手を打って既成事実を作ってしまおうと考えたらしい。


 そして安藤の叔父を脅し……。


 安藤は、姫の両親である姉夫婦に冬雅の企みを気付かれたら、娘可愛さのあまり逃亡に手を貸すかもしれないと恐れ、秘密裏に冬雅を招き入れたらしい。


 「弟を恨まないであげて。苦渋の選択だったのよ……」


 母親は実の弟である叔父上を庇っていた。


 「母上……」


 (これ以上悲しんだり取り乱した様子を見せ続ければ、つらい思いを押し殺している周りの人たちを、余計傷つけてしまう)


 姫は気持ちを抑えて、床から出た。