「姫さま、朝食のお時間です」
「要らない!」
「ご気分でもすぐれないのですか?」
「当たり前でしょう!」
姫の返答を聞いて、侍女は様子を見るために障子を開けて部屋に入って来ようとした。
「来ないで! 帰って! 放っておいて!」
姫は怒鳴り散らし、食事を運んできた侍女たちを追い返した。
「最低……!」
その時ようやく、脱がされたまま散らかっていた寝間着を姫は引き寄せて羽織った。
鏡に映る自分を見た。
肌の上に衣装を身にまとえば、昨日までとは何も変わらないように見えるものの、冬雅に抱かれたことにより、昨日までの自分とはすっかり変わってしまったような気がした。
誰かに見られると、汚らわしい目で見られるような気がして恥ずかしくて、姫は部屋から外に出られなかった。
「姫、どうすることもできなかった私たちを、許してちょうだい」
昼前になっても部屋から出てこない姫を心配して、母親が見舞いに訪れた。
女同士のほうが話しやすいだろうという、父親たちの配慮かもしれない。
「この母やお父上だけが咎を受けるのなら、それで構わないのですが……」
母は申し訳なさそうにうつむく。
「どうして事前に話してくれなかったの……」
「姫……」
「あまりにひどい! こんなだまし討ちみたいな」
「要らない!」
「ご気分でもすぐれないのですか?」
「当たり前でしょう!」
姫の返答を聞いて、侍女は様子を見るために障子を開けて部屋に入って来ようとした。
「来ないで! 帰って! 放っておいて!」
姫は怒鳴り散らし、食事を運んできた侍女たちを追い返した。
「最低……!」
その時ようやく、脱がされたまま散らかっていた寝間着を姫は引き寄せて羽織った。
鏡に映る自分を見た。
肌の上に衣装を身にまとえば、昨日までとは何も変わらないように見えるものの、冬雅に抱かれたことにより、昨日までの自分とはすっかり変わってしまったような気がした。
誰かに見られると、汚らわしい目で見られるような気がして恥ずかしくて、姫は部屋から外に出られなかった。
「姫、どうすることもできなかった私たちを、許してちょうだい」
昼前になっても部屋から出てこない姫を心配して、母親が見舞いに訪れた。
女同士のほうが話しやすいだろうという、父親たちの配慮かもしれない。
「この母やお父上だけが咎を受けるのなら、それで構わないのですが……」
母は申し訳なさそうにうつむく。
「どうして事前に話してくれなかったの……」
「姫……」
「あまりにひどい! こんなだまし討ちみたいな」



