「姫さま、また福山の殿からお届けものが」
「……」
騒動が一段落した後、姫は実家である明石の城に戻っていた。
先日実家を旅立った時は、間もなく冬悟へ嫁ぐ喜びに満ちていた。
それが今……。
冬悟はもうこの世にいない。
別人のような暗い表情で戻ってきた姫を、両親は戸惑いながらも暖かく受け入れてくれた。
姫は死ぬこともできず、生き続けている。
姫が実家に戻ってすぐに、福山冬雅から贈り物が届けられた。
その後もほとんど日を置かず、次々と。
(私の機嫌を取るために?)
「ほんとうに、いつもいつも……」
侍女たちも、送られてくる品々の豪華さにため息をつく。
「いつも通り、片付けておいて」
「ご覧にならないのですか?」
「私には必要のないものです」
「分かりました」
いただきものは全て、そのままで空き部屋に山積みされている。
どんなに金銀財宝を積まれても、姫の心が晴れることはない。
(冬悟さまにお会いしたい)
ただそれだけが願いだった。
「……」
騒動が一段落した後、姫は実家である明石の城に戻っていた。
先日実家を旅立った時は、間もなく冬悟へ嫁ぐ喜びに満ちていた。
それが今……。
冬悟はもうこの世にいない。
別人のような暗い表情で戻ってきた姫を、両親は戸惑いながらも暖かく受け入れてくれた。
姫は死ぬこともできず、生き続けている。
姫が実家に戻ってすぐに、福山冬雅から贈り物が届けられた。
その後もほとんど日を置かず、次々と。
(私の機嫌を取るために?)
「ほんとうに、いつもいつも……」
侍女たちも、送られてくる品々の豪華さにため息をつく。
「いつも通り、片付けておいて」
「ご覧にならないのですか?」
「私には必要のないものです」
「分かりました」
いただきものは全て、そのままで空き部屋に山積みされている。
どんなに金銀財宝を積まれても、姫の心が晴れることはない。
(冬悟さまにお会いしたい)
ただそれだけが願いだった。



