「冬悟さま!」
裏門に近づいた時、町人たちが多数集まっているのを目にした。
「冬悟さま……!」
息を切らして姫は、町人たちの人だかりに突入した。
「姫さま!」
姫を知る者が驚き、その表情を見据え驚く。
「冬悟さまは、もう……?」
「はい……。ほんの少し前、馬に乗せられ役人に引かれて……」
辺りからは、すすり泣く声も。
「お優しい若君さまでしたのに……」
(冬悟さま……!)
姫に泣いている暇はなかった。
まだ間に合うと信じ、河原の刑場へと向かって駆け出す。
(どうか間に合って!)
河原が近づいてきた。
「冬悟さま!」
姫は愛しい人の名を呼びながら、人ごみをかき分け、群衆の向こうに馬上の冬悟の姿を目にした。
その体は縄で縛られ、白い着物を着せられ。
それでいてなお、視線は凛として前を見据えていた。
(罪を恥じて死にゆくのではなく。不運にして戦いに敗れて、死を余儀なくされただけなのだから)
「冬悟さま!」
群衆の最前線に立った姫は、再度呼びかけた。
冬悟のまなざしが、姫のほうに向けられる。
しかし二人の間には、運命を隔てる木製の柵が……。
どんなに揺さぶっても、びくともしない。
これ以上は近づけない。
裏門に近づいた時、町人たちが多数集まっているのを目にした。
「冬悟さま……!」
息を切らして姫は、町人たちの人だかりに突入した。
「姫さま!」
姫を知る者が驚き、その表情を見据え驚く。
「冬悟さまは、もう……?」
「はい……。ほんの少し前、馬に乗せられ役人に引かれて……」
辺りからは、すすり泣く声も。
「お優しい若君さまでしたのに……」
(冬悟さま……!)
姫に泣いている暇はなかった。
まだ間に合うと信じ、河原の刑場へと向かって駆け出す。
(どうか間に合って!)
河原が近づいてきた。
「冬悟さま!」
姫は愛しい人の名を呼びながら、人ごみをかき分け、群衆の向こうに馬上の冬悟の姿を目にした。
その体は縄で縛られ、白い着物を着せられ。
それでいてなお、視線は凛として前を見据えていた。
(罪を恥じて死にゆくのではなく。不運にして戦いに敗れて、死を余儀なくされただけなのだから)
「冬悟さま!」
群衆の最前線に立った姫は、再度呼びかけた。
冬悟のまなざしが、姫のほうに向けられる。
しかし二人の間には、運命を隔てる木製の柵が……。
どんなに揺さぶっても、びくともしない。
これ以上は近づけない。



