「そうか……」
冬雅は静かに背を向けた。
「もう裁判は終わりだ」
そう言って退出しようとした。
「殿、お待ちください!」
去り行く冬雅を引き止めたのは、安藤の叔父。
「今しばらく、再度冬悟さまへの尋問をお続けくださいませ」
冬雅に懇願した。
「冬悟は何も喋らぬ。もう何も言うことはないのだと、受け取るしかできない」
淡々とした口調で安藤にそう答えた。
「これにはきっと、深い理由が。再度赤江どの臨席の上での取り調べをお願いします。赤江どのが冬悟さまをけしかけたのは明白でして、」
「赤江が冬悟をそそのかしたと申すか」
「そうとしか考えられません。奴は殿の関心を得るために、冬悟さまを陥れようと」
「その言い方はまるで、私が内心喜んでいるかのような言い方だな」
「そ、そういう意味ではありません! 冬悟さま、あなたさまからもどうか再度申し開きを。はっきりとその口で、無実を訴えなさいませ」
「……」
安藤に強く求められても、冬悟は弁明を拒んだ。
「私の真実を証明できるのは。私自身ではなくて、天のみです。そして赤江もそれを知っているのです」
冬悟はこう答えたのみだった。
「冬悟さま、どうか申し開きを!」
「安藤どの、しつこいですぞ」
別の家臣が安藤を諌めた。
「殿はもう、審議は終わりと申しているのです。なのにズルズル引き延ばすおつもりですか?」
冬雅は静かに背を向けた。
「もう裁判は終わりだ」
そう言って退出しようとした。
「殿、お待ちください!」
去り行く冬雅を引き止めたのは、安藤の叔父。
「今しばらく、再度冬悟さまへの尋問をお続けくださいませ」
冬雅に懇願した。
「冬悟は何も喋らぬ。もう何も言うことはないのだと、受け取るしかできない」
淡々とした口調で安藤にそう答えた。
「これにはきっと、深い理由が。再度赤江どの臨席の上での取り調べをお願いします。赤江どのが冬悟さまをけしかけたのは明白でして、」
「赤江が冬悟をそそのかしたと申すか」
「そうとしか考えられません。奴は殿の関心を得るために、冬悟さまを陥れようと」
「その言い方はまるで、私が内心喜んでいるかのような言い方だな」
「そ、そういう意味ではありません! 冬悟さま、あなたさまからもどうか再度申し開きを。はっきりとその口で、無実を訴えなさいませ」
「……」
安藤に強く求められても、冬悟は弁明を拒んだ。
「私の真実を証明できるのは。私自身ではなくて、天のみです。そして赤江もそれを知っているのです」
冬悟はこう答えたのみだった。
「冬悟さま、どうか申し開きを!」
「安藤どの、しつこいですぞ」
別の家臣が安藤を諌めた。
「殿はもう、審議は終わりと申しているのです。なのにズルズル引き延ばすおつもりですか?」



