***
翌日。
白い着物を着せられた冬悟は牢から出され、冬雅の待つ裁判の場へと連れて来られた。
冬雅は城の軒先に立ち尽くし、庭に座らされた冬悟を見おろすような形。
冬悟の周囲には、逃亡させないよう役人が取り囲んでいる。
冬雅の背後には、叔父を含む家臣団。
赤江の姿だけが見えない。
「……」
冬悟と冬雅、兄弟の間にしばし沈黙が流れた。
家臣団も固唾を飲んでそれを見守っている。
「面を上げよ」
ようやく冬雅が冬悟に命じた。
かつては当主とその後継者とみなされた兄弟が、今や反逆者とそれを裁く側。
「なぜ背いた」
冬雅は淡々と尋ねた。
「……」
冬悟は無言のまま、ただじっと冬雅を見据えた。
「もう一度訊く。そなたはどういう理由で、私に背いたのだ。次期当主の座を確約された立場でありながら、」
「全ては!」
冬悟は冬雅の言葉を遮った。
「全ては……。天と赤江だけが存じております」
赤江の名を出した途端、辺りはざわつく。
「赤江が何を知っているのだ?」
「私よりむしろ、兄上の方がご存知なのでは」
何も恐れず、冬悟は冬雅にそう言い切った。
翌日。
白い着物を着せられた冬悟は牢から出され、冬雅の待つ裁判の場へと連れて来られた。
冬雅は城の軒先に立ち尽くし、庭に座らされた冬悟を見おろすような形。
冬悟の周囲には、逃亡させないよう役人が取り囲んでいる。
冬雅の背後には、叔父を含む家臣団。
赤江の姿だけが見えない。
「……」
冬悟と冬雅、兄弟の間にしばし沈黙が流れた。
家臣団も固唾を飲んでそれを見守っている。
「面を上げよ」
ようやく冬雅が冬悟に命じた。
かつては当主とその後継者とみなされた兄弟が、今や反逆者とそれを裁く側。
「なぜ背いた」
冬雅は淡々と尋ねた。
「……」
冬悟は無言のまま、ただじっと冬雅を見据えた。
「もう一度訊く。そなたはどういう理由で、私に背いたのだ。次期当主の座を確約された立場でありながら、」
「全ては!」
冬悟は冬雅の言葉を遮った。
「全ては……。天と赤江だけが存じております」
赤江の名を出した途端、辺りはざわつく。
「赤江が何を知っているのだ?」
「私よりむしろ、兄上の方がご存知なのでは」
何も恐れず、冬悟は冬雅にそう言い切った。



