陽炎様に攻撃を制され、戸惑っている間に鵺の姿が見えなくなっていた。


とたんに、ひざから力が抜ける。

へなへなと座りこんだあたしを、陽炎様が見おろす。


「……残念。鵺、行っちゃった」

「ああっ!」


そうだ。とどめを刺して、毛皮を手に入れなきゃいけないのに!


あわてて立ちあがると、足首に鋭い痛みを感じ、よろけた。