くのいち初恋伝



「やったぁ! 大成功!」


急所を一突きにするのはなかなか難しいのに、よくやったなあ、あたし。えらい!


枯れ葉の上ではねていると、木からすとんと相棒が下りてきた。

さっき手裏剣で援護してくれた、幼なじみの小次郎だ。


小次郎はあたしと同じ15歳。丸い目をした、童みたいな顔の男だ。


「この猫又にまちがいないな。陽炎様もお喜びになるだろう」

「うん!」