くのいち初恋伝



「無謀な子だね。まさか、本当に鵺を狩りに行くなんて」


触れれば切れそうな鋭い声。

聞き覚えのあるその声のした方を探すと、木の上からストンと一人の忍が舞いおりた。

紺色の忍装束を着たその人は、銀色の髪をうしろで束ねている。


「か、陽炎様……!」

「陽炎様、どうしてここに!?」


驚くあたしと小次郎を見て、陽炎様はくすりと笑った。