鵺は怒気をほとばしらせ、あたしと小次郎をにらみつけた。

そして、天に向かってまた一声鳴く。

暗い空が、ごろごろと不気味な音を立てて叫んだ。

幾本もの稲妻が、落ちてくる。

もうダメだと思ってぎゅっと目を閉じた、そのとき。


「目を閉じるな!」


大きな声が聞こえ、思わず目を開ける。

すると、目の前を熱い炎の塊が駆けぬけていった。

その炎は紫色で、鵺に向かって一直線に飛んでいく。

鵺はそれを飛んで避け、木の枝に着地した。


あの紫の炎は、まさか……。